契約書というと、ちょっとお堅いイメージを抱いてしまう方は多いのではないでしょうか。また下手に契約書なんてサインしたりハンコを押したら、一生縛られる・・・というのは極端かもしれませんが、テレビや本の影響(ドラマに出てくる借金の取り立てなど)で、契約書というのは怖いというイメージもあるのではないでしょうか。

法律で、一定の類型の契約等(保証契約など)については書面で契約しなければならないとされていますが、そのような例外を除き、契約書がないからといって契約が成立しないというわけではありません。基本的には、契約は口頭での約束でも成立します。

例えばスーパーやコンビニでジュースや食材を購入するのにいちいち売買契約書を交わすなんてことはほとんどありません。ただ、もっと大きな金額での取引・・・例えば土地や建物をイメージしてみてください。仮に口頭の約束だけだった場合、後になって契約したこと自体を相手が否定したり、あなたが5000万円だったと主張しても相手が3000万円だと言い張るなどという事があるかもしれません。

このような事態を可能な限り避けるために契約書として書面で契約を交わすのです。

また人は忘れる生き物です。色々な条件を決めてあったのにもかかわらず、口約束をしてから時間が経過して後になって自分でもどのような条件だったか忘れてしまうという事も十分にあり得ます。それに、相手が会社の場合は、担当者の変更や退職などにより、条件が保存されなくなる事もあります。
このような事を想定して、約束した内容をしっかりと書面で残しておくのです。記憶が薄れても、担当者が変わっても、更にいえば裁判官などの第三者が見ても、はっきりと疑義のない形で書面で残しておくことが望まれます。

以上の事から、状況に応じて、契約書を取り交わす事はお互いの安全と安心のために必要な事だといえましょう。