株式譲渡契約書 (かぶしきじょうとけいやくしょ)とは

売手と買手が、株式の譲渡その他諸条件に合意し、最終契約書となる株式譲渡契約書を締結します。

株式の譲渡については、当事者間で契約書を交わすだけではなく、会社に対して、一定の届出をしなければ効力を生じないので注意が必要です。また、株式について、譲渡制限のある会社の場合は、取締役等の同意が必要になります。

株式譲渡契約書の作成にあたり、必要な項目
  • 取引の内容
  • 表明保証
  • 譲渡日までの誓約事項
  • クロージング条件
  • 譲渡日後の誓約事項
  • 解除、損害賠償
  • 補償
  • 付随契約

など、多岐に渡ります。収入印紙の貼付は不要ですが、付随契約として不動産売買や債権譲渡について定める場合には、定め方によっては課税文書となることがあります。

会社の買収には、株式譲渡と資産譲渡の2種類あります。株式譲渡の場合は、会社の全ての権利と義務(負債・債権・許認可等)を承継します。貸借対照表(バランスシート)には掲載されない簿外債務がある時がありますので、株式譲渡契約書で縛っておく必要があります。

譲渡自由の原則と例外

譲渡自由の原則

株式譲渡は、原則的には自由とされており、以下の理由が挙げられます。

1.株式会社において、株主は間接有限責任を負うのみ(会社法第104条)であり、債権者は株主に会社債権を直接請求することは許されず、会社財産が引き当てとなるのみです。従って、株主にその出資(会社財産)の払い戻しをすることは原則として認められないとされています。

2.株主に、リスク回避を認める必要があります。会社にとっても債権者にとっても、出資さえあれば、株主が誰であるかは基本的に問題がありません。

譲渡自由の例外

日本では、株式会社の中でも規模が小さく、知り合い同士や家族で設立・経営している閉鎖的な会社が多数存在していいます。このような場合、多くの不特定多数の人が株主になるという状況は、よくありません。これを受けて、会社法は定款で株式に譲渡制限を付することを認めています。(会社法107条1項1号、108条1項4号)

また、他にも株主名簿の整備や株券発行事務の渋滞を防ぐために、新株発行前または会社成立前の株式引受人の権利株の譲渡を、会社に対して対抗できないとしていたり、子会社を使っての不当な株価操作等を防止するため、子会社の親会社株式の取得を原則的に禁止株式譲渡自由といった例外があります。