示談書とは?

合意書?和解書?示談書?

他の呼称として、和解書や合意書というものもありますが、示談書含め、すべて契約書の一種であり、原則として、法的な違いはありません。

なお、法律用語としての定義がなされているのは「和解」だけです。

和解 <民法第695条>

和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。

つまり、「互いに譲歩して双方合意の上で紛争を終結する」という意味合いがあり、和解したことを証する書面のことを「和解書」といいます。

※和解は、裁判によらずに合意する場合、裁判上でも判決によらずに「裁判上の和解」をすることがあります。

「示談」という用語は、一般に、犯罪事件や交通事故などの場合に関して使用することが多く、示談が成立したことを証する書面ということで「示談書」といわれます。もっとも、「示談」というのは、一方だけが譲歩して相手方からの要求を全面的に承諾するという場合に限られず、「和解」における譲歩の方法や程度に特段の制限はありません。

よって、示談と和解の違いを気にする必要はありませんし、示談書・和解書などはその文面の内容が重要なのであって、表題で効力に違いが生じることはありません。

他のタイトルの表現

当事者が、加害者・被害者という立場関係でない場合などには、合意書や協議書、協定書、などの表題を使用することがあります。(土地境界に関する合意書、遺産分割協議書、離婚協議書、労使協定書、等)いずれの書面も、紛争終結の合意を証するため、もしくは、将来的なトラブルを予防するために作成するものです。

また、念書や誓約書というのは、相互に取り交わす契約書とは違い、一般に、一方が相手方に対して確約ないし誓約の意思を申し入れするために差し入れする書面という意味合いで使用されます。

示談における金銭の名目

示談において金銭の支払いを定める場合、その名目を「慰謝料」「損害賠償金」その他、具体的な名目を明記する場合もありますし、一律で「示談金」「解決金」「見舞金」「迷惑料」等と記載することもあります。

示談書の作成に必要な項目

記載する具体的な項目は、その示談の内容によって異なりますが、一般的な事項としては、以下のようなものがあります。

  • 事実内容(事件や事故の日時、場所など)
  • 謝罪条項(謝罪、承諾、免責など)
  • 取り決めた合意内容(口外禁止、接触禁止など)
  • 示談金の定め(金額の名目や支払方法・支払期限)
  • 不履行に関する定め(遅延損害金や違約金など)
  • 清算条項(相互に合意した内容以外に請求をしない旨)

なお、署名がなされていて押印が無いという場合や、住所に誤記があるという程度では、示談書が無効にはなりません。刑事事件などで相手に住所を知られたくないという場合は、住所を伏せて取り交わすことも可能です。

当事者が未成年の場合は、法定代理人(親権者や未成年後見人等)が示談を行う必要があります。