婚前契約書の意義

婚前契約書は、法律、公序良俗に反しない限り、当事者の意思によって自由に作成することができます。

婚前契約は、あくまでも二人が円満な結婚生活を送るための手段として、結婚前に、夫婦間における約束事を予め決め、お互いの気持ちを明確な形にしておくものです。これからのお互いの生活を、楽しく円滑に進めるために、夫婦で話し合うことに意味があります。夫婦間の口約束では、言われた方は結局覚えていないことが多いです。約束事を書面の形にすることにより、約束を守ろうという意識を高め、意見の対立した時も書面を見直し、初心を思い出し、冷静に話し合える効果があります。

なぜ結婚前に契約を交わす必要があるのか?

夫婦間の契約は「婚姻中いつでも夫婦の一方からこれを取り消すことができる」と定められているからです。(民法第754条)

夫婦間においても契約そのものは可能ですが、法的拘束力という点では婚前の契約よりも劣ることになります。

夫婦の財産について

夫婦間の財産については、民法で法定されています。(民法第755条~762条)婚姻前に財産について契約をすることができ、それをしない場合は、自動的に法定財産制=共有財産を選択していることになっています。

婚前契約書を作成するうえで挙げられる項目

婚前契約書の場合、基本的に当事者間の合意で内容を決めればよいのですが、例として、下記のようなものが考えられます。

  • お小遣い、生活費、投資、財産管理
  • 結婚後や出産後どうするのか
  • 家事の分担
  • 結婚生活の心構え
  • 病気になったとき、事故にあったとき、災害にあったとき
  • 趣味
  • 記念日、夫婦生活、ペット、嗜好品、ギャンブル
  • お互いの両親や親せき、職場、友人、ご近所、保証人
  • 教育、進学、しつけ、祖父母とのかかわり方
  • 財産分与、親権、養育費
  • 親の介護、同居
法的拘束力

ただ契約書を作成しただけでは、法的拘束力が強いとは言い難いですが、公証役場で認証まで行うと、より強い効力が期待でき、公正証書にすると強い法的拘束力を持ちます。ただ、まだ開拓分野であるので、公証役場での取り扱いに差があるのが現状です。

夫婦財産契約書を登記すれば第三者にも対抗できます。