利用規約とは
サービスを提供する際に、提供する側が提示する、サービス利用にあたっての規則のことで、サービスを利用する前に提示し、利用者からの同意をあらかじめ得ておきます。利用規約には、サービス内容、プライバシーポリシー、禁止事項、免責事項などが主に記されています。
WEB上でのサービス提供
特にWEB上でサービスを提供する場合は、利用規約を定めなければなりません。その際の注意点としては、
1.特定電子メール法に配慮した条項
この特定電子メール法とは、「迷惑メール」の問題の解決のためにできた法律です。
簡単に言うと、企業が広告や宣伝のメールを送信する場合には、あらかじめそういったメールを送ることについて受信者に了解をもらっておかなければならないという法律です(ただし、いくつか例外あり)。
そのため、WEBサービスの利用規約の中に、「広告宣伝メールを送る場合がある」という条項を入れておくべきなのです。
このような条項をWEBサービス利用規約に入れておき、そのうえで、ユーザーがWEBサービス利用規約に同意ボタンをクリックして同意すれば、ユーザーは宣伝広告メールの送信にも同意したことになります。
2.消費者契約法に配慮した免責条項
WEBサービスを提供していると、サーバーに負担がかかってしまった場合などに、サービスを停止しなければならない場合もあり得ます。そして、サービスの停止によって、WEBサービス提供者が予想さえしなかった大きな損害がユーザーに生じ、ユーザーからその賠償を請求されることがあり得ます。
そこで、WEBサービスの利用規約の中に、「会社は、サービスの利用に関連してユーザーが被った損害を賠償しない」
という内容の条項を入れておく必要があります。これを、「免責条項」と呼びます。
但し、ユーザーが一般消費者である場合は一般消費者に対するサービスについては、消費者保護を目的とした「消費者契約法」という法律があり、
「会社や事業者が、消費者である個人と取引したときに、会社や事業者が損害賠償責任を負ってしまった場合、その損害賠償責任の全部を免除する契約条項は無効とする」
とされています。そのため、仮にWEBサービスを提供する会社が「サービスの利用に関連してユーザーが被った損害を一切賠償しない」と利用規約に定めても、この条項は無効とされてしまうおそれが大きいのです。
そこで、免責条項の内容を、損害賠償責任を全部免除するような内容にするのではなく、賠償責任の上限を定める方法をとらなければなりません。